Greenwich Citizen誌

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Greenwich Citizen誌 2010年6月4日

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ラッピング革命!

リバーサイド在住のパトリシア・リーが韓国の伝統文化をエコビジネスに展開

韓国系アメリカ人、パトリシア・リーが韓国伝統の風呂敷、ボジャギを使ったエコラッピングを紹介している。

記者: バーバラ・ペリー・ビンド
パトリシア・リーは、クリスマスやお誕生日会などのパーティーの後に必ず残る紙ごみの山を見るたびに何か解決策はないかと思っていた。リバーサイド地区の住民であるパトリシア・リーは、アジアの伝統に由来する布のラッピングを紹介している。

ギフトを包む紙などの包装紙、リボン、テープなどの代わりに韓国生まれの起業家、パトリシア・リーはギフトを包み、運び、保護するための布のラッピングを推 奨している。BOBOふろしきという名前は、韓国のボジャギから来ている。韓国では11世紀以前から使われているボジャギだ。リーの母国である韓国では、 無駄は悪運を象徴している。
リーは地元グリニッジに会社を創設し、ビジネスを通じてエコに貢献することで悪運を幸運に変えた。

記者: なぜこのビジネスを始めたのですか?

リー:  数年前、クリスマスの朝に家族全員がプレゼントをあけた後に出た包装紙などのゴミの山を見て唖然としました。こんなにもったいないゴミを出すのは絶対にやめようと決心しました。クリスマスの日に出る紙の包装紙や紙袋から出るゴミのことはずっと気になっていました。決定的だったのは、「不都合な真実」というドキュメンタリーを見たことです。そんな時に、子供の頃、祖母たちが使っていた布のラッピングを思い出しました。手始めに家族や友人にギフトを贈る時に手作りの布のラッピングで包んで贈りました。皆の反応は上々でした。こんなに素晴らしいラッピング方法は、ビジネスにした方がよいと勧められました。

記者: 「BOBOふろしき」というネーミングは何か意味があるのですか?

リー:  布で包む習慣は韓国と日本には昔からありました。韓国では、日本で言う「風呂敷」のことを「ボジャギ」と呼びます。「ボジャギ」を短くして 「BOBO(ボボ)」と名付けたのです。アメリカ人の友人にも覚えやすく、呼びやすく好評でした。「BO」とは韓国の言葉で「包む」とか「保護する」という意味があるのです。「ボジャギ」の伝統とも結びついて良いネーミングだと思っています。

記者: 「BOBOふろしき」の使い方について教えてください。

リー: ティッシュボックスなどなんでも包めます。日本の折り紙に似ているかもしれませんが、もっと大雑把に包めます。

記者: 製造工程について教えてください。

リー:  製造業者の知識は全くありませんでした。ですから、ゼロから一歩ずつやってきたのです。最初はニューヨークのマンハッタンの繊維街に行ってみました。まず、テレビの「プロジェクト・ランナウェイ」で見たムードファブリックというセコハン市場に行ってみました。業者用の掲示板と周辺の労働者に、小規模の注文を受け付けてくれる縫製工場があるか聞いてみました。ほどなく私の注文にピッタリな業者が見つかりました。大口の仕事のない閑散期に小規模な注文を受けてくれるというのです。デザイナーブランドが海外生産を拡張して、アメリカ国内の受注を減らして、国内の縫製業者の仕事が減っていたことも私の小口注文を受けてもらえることに幸いしました。

記者: 「BOBOふろしき」の素材や製造地について教えてください。
リー: ムードファブリックのようなセコハン市場では、他の卸し市場のように新品は扱っていません。大規模なデザイナーブランドが商品開発した後の半端物や残り物が取引されているのです。いろいろと検討した結果、オリジナルの生地を作成するのには産業廃棄物も発生することが分かりました。デザイナーブランドの半端品なら、そのような無駄を出しません。ニューヨークやロスアンジェルスの市場に出回っているセコハン製品を使えば、産業廃棄物のゴミを出さずに一流デザイナーブランド使用のファブリックを使って製品開発ができることに気付きました。産業廃棄物のゴミを出さないのでエコにも貢献します。弊社が拡充する過程で、自社開発も考慮に入れなければいけない時が来るかもしれません。しかし、現状では韓国のボジャギの本来の伝統的な意味にも通じる製造方法を貫いていきたいと思います。ボジャギは使い古しや残り物の布から作っています。弊社の製品は100%メイドインUSAです。

記者: アメリカと韓国や日本での使い方に違いはありますか?
リー:  アメリカでは、たのしくてエコに優しいギフトラッピングを紹介しています。韓国や日本では古来からの伝統に根付いているので、それぞれの時と場合に応じて、風呂敷包みにも伝統や格式が現れています。色使いひとつとっても意味があります。たとえば、韓国では結婚祝いは赤の包みが決められていますし、調和を表す色としてはローヤルブルーが使われます。

更に、韓国や日本では、風呂敷やボジャギを使うのは女性に限りません。男性や子供も使います。弁護士が法廷に案件の書類を風呂敷に包んで持ち運んだりもします。風呂敷を使えば軽量で包むものの形状を選ばないため、大きさの決まった紙箱や紙袋より便利に使われるのです。

昨年(2009年)に、ロスアンジェルス市の図書館と一緒に青少年向け韓国式ラッピング講座を開きました。おかげさまで講座は大人気を博しました。驚いたのは、受講者の半数は男子生徒だったことです。布のラッピングのエコに優しいところが受けたのと、紙のラッピングよりずっと簡単なことが人気の理由みたいです。

記者: 御社の製品がエコな理由を聞かせてください。
リー: BOBOふろしきは、使い捨てのギフトラッピングの代わりに使えます。スーパーのレジ袋の代わりにもなります。バッグの中に風呂敷を入れておけば、いつでも買い物袋として使えます。

記者: 消費者の反応はどうでしたか?
リー:  ビジネスをスタートした頃に、無駄を出さない布のラッピングに共感してくれる人がきっと出てくると確信していました。案の定共感してくれる人がいまし た。アメリカ空気清浄化委員会によるとアメリカ1国だけで、クリスマスシーズンに約500万トンものゴミを排出するのです。しかもそのうち80パーセント の約400万トンは紙の包装紙や紙袋から出るゴミだというのです。環境問題が重要視される今、このようなゴミ問題は誰もが憂慮する問題です。私の会社は設 立して2年になりますが、お客様と素晴らしい信頼関係を築きました。布で包むというアジアの素晴らしい伝統文化は、マスコミにも沢山取り上げてもらいまし た。中でも、昨年のクリスマスにABCテレビの朝の人気番組、「グッドモーニングアメリカ」が、布のギフトラッピングというアイディアを気に行ってくれま した。おかげで番組に出演を依頼され、BOBO風呂敷が、全米にニュースとして報道されたことは、大きな飛躍でした。

その反面、BOBO 風呂敷のように、個性的な商品をアメリカの消費者に受け入れてもらうのは大変です。ビジネスで大成功している起業家の友人が以前忠告してくれました。それ は、「アメリカ人の消費者行動を変えるようなことは、しないように」という忠告でした。「ええっ!それって正にBOBOふろしきがやろうとしていること じゃない!物を無駄遣いするアメリカ人の消費者行動を変えたいと思っているのだから!!」。友人はとても頭がよくビジネスでも成功しているので、困難に立 ち向かうたびに彼女の忠告思い起こしました。アメリカ人のライフスタイルや購買習慣を変えるようなことを提案しているわけですから、様々な反発を買いまし た。でも、ちょっと考えてみてください。世の中は確実に変わってきています。たとえば、使い捨て容器を使うなどのゴミを増やす行動は時代遅れになってきて います。一昔前には、スーパーの買い物にエコバッグを持参したり、使い捨てのPETボトルをやめてマイボトルで水を飲むなんてことは考えられませんでし た。私はやりがいのある戦いだと思っています。

記者: BOBOふろしきは、贈り主の元を離れて、家族や友人の間を次々に贈り物と一緒に巡っていくと聞きました。何か面白いエピソードがあれば話してください。
リー:  つい最近ニューヨークで開かれたナショナル文房具ショーという展示会に出展していました。会場を訪れたお客様が話してくれたのですが、その方は、ご自分 とお母さん、妹さんと3人でBOBOふろしきを使ってくれています。お互いに何かプレゼントし合う時に、それぞれが持っている計3枚の風呂敷に包んで贈り 合っています。この1年ほどの間、贈り物をするときに、皆さん2回に1回位はBOBOふろしきを使ってくれたみたいです。BOBOふろしきで、どんなに 凝ったギフトラッピングをするかとか、誰が一番お洒落に包んだかを比べ合うなど、ちょっとした競争を楽しんでいるそうです。

記者: 商品開発において、他にも何か地球環境に配慮した取り組みをされていますか?
リー:  商品発送時の梱包は最小限にとどめるか無しにしています。お店でのディスプレイもそのまま丸めておいたり、ラッピングの時に使うBOBOキャンディーで まとめたりして置かれています。今年のクリスマス向け新商品のBOBOふろしき3枚パックは、堆肥に帰るナイロンバッグに入っています。顧客への発送に使 う段ボール箱は、ほとんどエコマートで今流行っている再利用の段ボール箱を使っています。

記者: BOBOふろしき以外にエコ商品を開発したりするお考えは持っていますか?
リー:  現在の最大のテーマは、ゴミにならないギフトラッピングを世の中に浸透させることです。そのために、「ふろしきラッピング革命」という本を執筆しまし た。この本では、現代生活の中で、布を使ったライフスタイルを楽しんでもらいたいと、様々な布を使ったラッピングの仕方を紹介しています。また、自宅にあ る様々な布地を使って自分オリジナルな手作りふろしきの作り方も紹介しています。

少し前までは、環境問題にはあまり関心を持っていません でした。アーティストとして、アートスタジオを運営しながら忙しい日々を送る、働くお母さんでした。今では、生活が一新しました。エコでグリーンなライフ スタイルを他の人と共有する生活を楽しんでいます。今年になって、エコライフを提案する仲間たちとコラボを始めました。たとえば、近々洗濯プロジェクトを 立ち上げます。1990年代に韓国に住んでいたのですが、その時に洗濯ものを時間をかけて自然乾燥することを知り、実践するようになりました。自然乾燥の 方が気持ちがよく洗濯ものが乾きます。洗濯ものを乾燥機で乾かすアメリカ人の習慣を変えていきたいと思います。

省エネボタンがついた洗濯 乾燥機って見た事ありますか?そんなものは存在しません。洗濯乾燥機はものすごく電力を使うので、省エネタイプを作れないのです。全家庭の屋根にソーラー パネルを設置するのは無理かもしれません。でも、お天気の良い日には、多少時間がかかっても、太陽光で洗濯ものを乾燥させると省エネを実践できます。布の ラッピングも同じです。紙の包装紙は、綺麗かもしれないけれど、使った後は全てゴミになります。ゴミになることが分かっているのに、紙に包んでギフトを贈 るのが如何にもったいないことか、皆が気付く日が来ると信じています。

スタンフォード大学の調査によると、アメリカの全家庭が、年に3回 だけギフトを再利用可能なラッピングで贈ると、サッカー場 47000個分の紙を節約できるそうです。年に3回だけギフトを布など再利用可能なものでラッ ピングして贈るなら、今すぐ実行可能なプロジェクトだと思いませんか?でも、それだけで大きな資源の節約につながるのです。

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